2012年2月18日土曜日

私が大学を辞めるわけ (1):大卒の就職率

退職届を先週出したと書いたけど、辞めることを回りに伝え始めてからふた月ほどになりますが、意外と「どうして?」と訊かれないものですね。そこで自分から書いてしまいます。

多くの人が独立を祝ってくれたり成功を祈ってくれますが、やっぱ内心「大変だろうなぁ」と思ってるはず。自分でも、賢い選択じゃないと思うくらいだから。不景気で就職難で先行き不安なときに、それなりに安定して収入がある仕事を自ら辞めるなんて。だからそれなりの理由があるのですよ、うん。(書いたら結局「バカだ」ってことになったりして…)

実は大小たくさんの理由と状況が絡んでます。職場ではそのうち大きな(そして説明しやすいw)理由を伝えました。せっかくブログなのでここでは別の理由を書いてみたいと思います。

新聞などで報道されている通り、大卒の就職内定率が近年下がっています。このページ↓のグラフは私の体感にも近い。

就職(内定)率の推移(大学)

どの年度でも、4/1時点の最終的な就職率は90%を超えているので高いように見えます。でも実態は違うと思う。内定を取れなかった4年生は留年をわざと選択することで、翌年度の就活時に新卒として扱われるようにする。いわゆる「新卒カード」を持っておきたいわけです。(「新卒カードは百万だしても買えない」らしい。)これによって分母の卒業生数が減り、見かけの就職率が上がっているはず。

就活の話はさておき、こんなわけで大卒の就職率は8割とかだったりする。ならば、私が頑張って学生を教えても、平均してやはり2割は就職できない。ものすごーく頑張って100%にしたとしても、今度は別の大学の学生がそのぶん就職できない。

つまり、いくら大学が頑張っても、そして大学間に競争を導入しても、若者を全体として就職させられるか(←これは重要なことだと私は思っています)には全く貢献できません。そればかりか、逆に競争のための無駄が若者全体に不利益をもたらしている。そう思ったのです。

だったら仕事を作った方がいい。若者が稼げる機会を作る方が、よっぽど役に立つ。

そんなわけで、仕事を作る側に回ろうと思ったのでした。

まあ私が辞めたら准教授のポストがきっと空くので、それで仕事を少なくともひとつ作ったことにはなるかも(笑)

2012/02/19: 題名から分かりやすいように副題を追加。