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2013年5月13日月曜日

もうひとつの英語勉強法 (2):アメリカ発音を選ぶかイギリス発音を選ぶか


[前回:もうひとつの英語勉強法 (1):会話ができるためには何から学ぶ?

遊びに来てくれた卒業生に、英語の勉強法を教えてくれと言われたので、本でも書くかと思ったんだけど、このブログに少しだけ書いて続きを書いてなかったのを思い出した。というわけで、ここに書くことにするよ。

前回みたいにきっちり書くと大変で続かない気がするから、もっと気楽に行こうと思う。「勉強法」というより、勉強のコツを挙げる感じになりそう。タイトルがいまいちになってしまった。まあいいや。

さて本題。

どの発音を選ぶか


前回、発音の練習をしよう、と書きました。でも英語の発音は国によって違う。例えばアメリカ発音やイギリス発音など。どれを練習すればいいんだろうか。

もし特定の発音を選ぶ特別な理由がないのなら、私は「癖のないアメリカ発音」を基準にすることをお勧めします。(特別な理由とは、ある地域に住むことが決まってるとか、俳優になるなど。)

一番の理由は、勉強のための材料が手に入りやすいこと。経験上、日本にいて触れる英語はアメリカ発音が多い。テレビや映画、英語教材など。イギリス発音のものは、あってもやはりアメリカのより少ない。

「癖のない」は難しいけど、教材と銘打ってあるものや、辞書にアメリカ英語として収録されている音声は、だいたい癖のない標準的な発音になっているはず。ニュースキャスターの発音も標準的でしょう。映画やドラマは俳優さんによります。

もしも回りにイギリスやオーストラリア、カナダなどの標準的な英語の材料(あるいは友人など)があるなら、そちらを選んでもいいと思います。

自分がアメリカ発音で練習して、相手がイギリス発音だったときに聴こえるだろうか、という不安があると思いますが、意外と大丈夫です。アメリカ発音をひと通りマスターすれば、あとは慣れればイギリス発音も結構聴こえるようになります。

伝わる発音、伝わらない発音


イギリス人がアメリカ人に話すと、発音が違うのにちゃんと通じて、英語のうまくない日本人がアメリカ人に話すと、発音が違うために通じない、この差は何なのでしょう。

私が思うに、イギリス人は英語の個々の音を発音し分けていて、それぞれの音はアメリカ発音とは少し違うけれど、聴いたアメリカ人がリアルタイムで頭の中で自分の知っている単語に直せるくらいのずれなのではないか。これに対して、日本人は音を発音し分けない(例えば L と R)ので、聴いた方が自分の知っている単語に直せないのでは。

私自身、非ネイティブの英語を聴くときにこういう修正をやることがあります。フランス人が「アーシテクチュール」と言うのを頭の中で architecture に直したり。でも日本人の「ロー」を、low, law, row, raw あたりに直すのは大変。文脈で分かるならいいんだけど。

というわけで、私が思う「伝わる発音」とは、

  • 英語の音のバリエーションが発音し分けられている
  • それぞれの音が、標準的な音からそれほど離れていない
  • 一貫している(同じ音が常に同じように発音される)

というものです。要は、区別されてて、それっぽくて、ぶれなければいいのです。

ああ、ここで言ってる「発音」は、個々の音の話で、他に強弱(抑揚)の問題とかもあります。でもまずは個々の音が基本でしょう。

私の場合


私が本気で英語をやり始めたきっかけは、大学での LL の授業でした。細かい発音から教えてくれたその授業で扱っていたのが(いま思うと)アメリカ発音でした。アメリカからの留学生がそばにいたこともあり、その頃はアメリカ発音に似せようと努力したものです。

そこそこしゃべれるようになった後、オーストラリア英語を話す友達ができたり、アメリカに行ったり、イギリス系の友達とよく話すようになったりしました。英語での学会発表もしょっちゅうして、いろいろな国の人と話しました。

そんなことをしているうちに、アメリカ発音を苦労してやっているのが無駄に思えてきました。ただでさえ英語の発音は口や舌が疲れるのに、アメリカ発音に似せるのはさらに苦労する。そんな発音しなくたって通じるのです。イタリア人、ドイツ人、ベルギー人、日本人で英語で話すときには、誰も英語ネイティブな発音なんてしません。

そこで今は、通じるできるだけ楽な発音をするようにしています。アメリカ発音とイギリス発音と日本発音を足して3で割ったような。でも音は発音し分けているので、完全に通じますよ。自分では自信を持って「Japanese accent だ」と言ってます。

だから実は、もしかしたら日本人が英語をうまく(ネイティブみたいに、ではなく、通じるように)話せるようになるには、ネイティブよりも日本人(でうまく話せる人)に習う方がいいんじゃないか、とも思ったりします。

大事なこと


発音の練習で大事なのは、真似ることを恥ずかしがらないことだと思います。最初はうまくできません。練習してうまくなるものです。うまくなるまで発音しなければ、いつまでもうまくならない。まあ何でもそうですね。

どうせどんなに練習したってネイティブの発音はできない、と最初から開き直った方がいいと思います。英語を話す目的は、気持ちや考えを伝えることなんだから、伝わりゃいいんですよ。

リンク


The Free Dictionary この辞書サイトはアメリカ発音とイギリス発音の両方が聴けます。

2012年2月23日木曜日

もうひとつの英語勉強法 (1):会話ができるためには何から学ぶ?

ちょっと反響があったので、私が自分で実施してきて、うちの学生にも実施した、私流の英語勉強法を書いて行きたいと思います。勉強法とは言っても「コツの集まり」くらいのものです。効果は自分と学生で実証済みと思ってますが、保証はしません(笑)

今回は、日本での普通の英語学習になぜか決定的に欠けていて、でもそれが英会話がうまくできるためにとても大事だという項目について書きます。

なぜ英語が聞こえない?


ホームステイを長くやったのに英語がうまくならなかったなどという話を聞きませんか。私はアメリカに研究員で行ったとき、そこの大学(かなりレベル高いところです)にいる日本人学生や研究者の、特に聴き取りの力が平均してかなり低いことにびっくりしました。何年もアメリカにいる人でもそうなのです。

これは、単に量をこなしただけでは聴き取り力が上がらないことを示しています。

ちょっと日本語のことを考えてみましょう。あなたが誰かと話していて、その相手が例えば「ほぴめる」と言ったとする。そんな言葉はないけど、あなたは相手が「ほぴめる」って言ったことは分かります。なぜか。それは、あなたが hopimeru、母音と子音では h, o, p, i, m, e, r, u の全ての音を知っているからです。

では英語はどうか。あなたは、相手が(発音記号で書いたとき)「miθ」と言ったとき、それが m, i, θという音だと分かるでしょうか。

これは、聴き取りにおいて根本的だと思います。耳で聴いて「miθ」だと分からなければ、もしも myth という語を知ってても、それと分からないんだから、会話をしようとしても無理。これはまるで、将棋の駒の動きを知らないのに将棋で勝とうとするようなものです。

なのに、日本の学校英語教育や、普通の英会話学校では、この根本的なところをほとんど教えていないように思います。経験上、ほとんどの学生は、英語の音が聞き分けられません。

じゃあどうする?


英語が聞こえる前提条件は、英語を構成するすべての音が聞き分けられることです。

いやいや待てと。聴いても聞こえず、量をこなしてもダメならどうするんだ。英語耳はX歳までとも言うし…

そこで私が勧めるのは、まずは英語の音を作れるように発音の練習をすることです。単語ではなく、個々の音(母音や子音)の作り方を知り、それを練習します。

具体的には以下のようになります。
  1. 正しい音を聴く。
  2. 音の出し方を学ぶ。口の形、舌の位置、息の使い方などを教わる。
  3. 正しい音に近い音が作れるように練習する。
音をただ聴いて聞き分けるのは(それこそ「英語耳」が必要なので)難しいけど、このやり方の2番の音の出し方は感覚ではなく理屈なので大人でもできる。ここがポイントです。

学生に教えるときは、私が発音して(1番)、音の出し方を黒板とかで説明し(2番)、発音させて軽くチェックします。あとは学生にお任せ(3番)です。このやり方で20分くらい教えると、例えば単独のL音とR音なら8割くらいの学生が聞き分けられるようになります。

英語耳はX歳まで?


英語ネイティブから習ってる小さい子供が、やたらとネイティブっぽい発音を習得してるの見るとむかつきますよね(笑)。でも私は「英語耳はX歳まで」ってのを信じてません。大人でもやり方次第で英語は聞こえるようになる。そう思ってます。私が証拠だし、私が教えてできるようになった学生たちが証拠です。

小さい子供は音に慣れるのが早い。大人は日本語の音に長く慣れているので、新しい音に慣れるのは当然時間がかかる。でも、それだけだと思います。慣れる対象としての音と口の動きが分かってしまえば、あとは慣れるだけ。

どうせ英語をやらなきゃいけないんだったら、「英語耳はX歳まで」などという「できない理由」はどうでもいいですよね。必要なのは「できるやり方」なんですから。

2012年2月19日日曜日

いぇっとあなざー英語勉強法

大学に着任した当時、3年生を少人数(10人くらい)ずつ分担して英語を教える授業があって、自分も担当してました。題材は英語で書かれた電子回路の教科書。4年次の卒業研究に備えて専門分野の英語を読めるようにするための授業だけど、いま考えると面白い。これってある意味、一般教養の英語授業を信用してないってことじゃないか(笑)

自分の研究でも、英語論文を読む必要があるし、学会では英語でも発表する。そこで、英語そのものも勉強しつつ、英語の効果的な学び方や教え方についてずっと考えて、また教えてもきました。

まあ世には「英語勉強法」が数多あるわけですが、そんなわけで私もひとつ書いてみんとて書くなり。

とは言え、「英語上達完全マップ」のように体系的なものが書ける気はしません(というかこのサイトはなかなかいいと思う。おすすめです)。それよりも、ちょっとした役に立つノウハウが提供できればいいなと思っています。

おっと、そのノウハウがどのくらい信用できるか、ですよね。

私は普通の日本の学校教育で英語を受けてきて、大学4年までは十人並の英語力だったと思います。もちろん会話など全くできませんでした。その後、独学で試行錯誤して、10年くらいで自分の分野の学会で発表と質疑応答が問題なくできるまでになりました。TOEIC で言うと910点。「日本で、独学で」という条件の下で900点以上が取れたのは悪くないと思います。

そのあと1年在米して点数は965まで上がりましたが、そのあと受けてません。あんまり TOEIC に儲けさせても仕方ないし (^^;;

今は、学生に国際会議で発表させるときに2か月くらいで発音と会話を叩き込みます。これまで3人ほどにやりました。それまでの英語力が十人並でも、発表がきちんとでき、ある程度の質疑応答ができるようになります。質疑応答の方は個人差が出ますけど。

というわけで、これからそういうノウハウとか教えたり学んだりした体験を書いていこうと思うので、役に立ちそうなら使って下さい。

とりあえず今回は「英語上達完全マップ」サイトのご紹介まで。ああ、あと私が a と the の違いを分かり始めた本を紹介しておこうっと。



この本は面白いし、日本人が「日本人の英語」から脱するポイントがいくつも書いてある超おすすめ本です。私が「英語をしっかりやろう!」と思ったときにちょうど出版されて、その後の職業にまで関わった、私にとっては運命の本のひとつです。おかげで今は論文をアメリカの論文誌に投稿しても文法誤りを直す編集がほとんど入らないくらい書けるくらいになりました。感謝感謝…

てか、一番驚いたのが、日本語ネイティブじゃないのにこの著者なんでこんな文章が書けるんだ、ってとこだったり(苦笑)

ちなみに続編も出てます。3作目はあんまり印象に残ってない (^^;;



次は何を書こうかな。←行き当たりばったりすぎるw